コーチングを受けるにあたり、高いお金と貴重な時間を使うのだから、自分ができることに対してコーチをつけても価値がありません。
自意識で、できることを超える目標を設定し、その目標達成に向けて自信を高める必要があります。そのお手伝いをするためにコーチは認知科学を使い、脳の仕組みをハックしてあなたを高めていきます。
コーチングとは、『自分自身では成し遂げるのが難しい!』と考えているコトを実現に導くお手伝いです。手伝うといっても、一緒に働くのではなく、あなたが本来もつ能力を信じ、実現するためのマインドを最大限に引き出すのが仕事です。
コーチが、あなたに『自分一人では出せなかった成果』を出せるようにならなければ、存在価値がありません。
あなたが、大きなマインドの力を発揮できるように、コーチングではあなた自身では実現不可能そうなゴールを設定することからスタートします。
まずは、コーチングで使う用語を覚えてください。
エフィカシー
あなたが成し遂げたいことを実現するときに、大事なことがエフィカシーを高めることです。エフェカシー は可能感や効力感と訳されます。
これは学歴や業績などの具体的なものではなく、『できると信じる根拠がない自信』です。
しかし、自己肯定感(セルフエスティーム)が低く、『自分は存在して良い』という感覚がないと、エフィカシーは高められません。
セルフエフィカシー
セルフエフェカシーとは自己効力感(自分はこうなれる)という意味です。
エフィカシーと同意語ですが、「自己」ということを強調した言葉です。
セルフエフィカシーを高めるには自分自身の評価をし、自分の価値を認めましょう。
コレクティブエフィカシー
集団での自己効力感(私達はこうなれる)という意味です。企業などの組織において重要な要素となります。
ポテンシャル
ポテンシャルとは、可能性や伸びしろと訳されます。
ポテンシャルがあるという状態は、未来のゴールに対しエフィカシーを持ち、実施するために行動する責任感を持つことです。
「動ける」だけでは未来のゴールにたどり着けません。
セルフエスティーム
セルフエスティームとは自己肯定感という意味で「自分としても誇りに思い、他者からも充分に認められるであろうという自負心・自尊心」と定義されています。
自己肯定感の低さは、幼少期の家庭環境が大きな影響を及ぼすといわれています。能力があってもなくても存在していいという肯定感が幼少期に得られなければ、健全な人格形成ができません。
ビリーフシステム
ビリーフシステムとは思い込みや先入観のことを指します。前頭前野や大脳辺縁系で形成されています。
ビリーフシステムは外部の言葉から作られます。
『こうすべき』『こうしてはいけない』と教えるとその方向でしか考えられなくなり、固定観念のように、その人の考えの核となります。
スコトーマ
ビリーフシステムによって、人は人生で盲点をたくさんもってしまいます。盲点とは哺乳類の目にある、見えてないけど意識しないポイントです。
人は親や周囲の意見によって、自分の「あるべき姿」「禁止された姿」で抑制され、見えないところを作ります。この盲点をスコトーマといいます。
最大のスコトーマは自分の成功体験です。『うまく行った、だからこの方法が正しい。』という思い込みから多くの現実から目を背けさせ、成長や成功の機会を逃すことが増えます。
セルフトーク
セルフトークとは別名『自己会話』といって、自分自身に対してかける言葉のことです。
人は自分自信に1日30000回から60000回話しかけています。
セルフトークを観察すると、その人の無意識で考えていることが見えてきます。
セルフトークを書き換え、ビリーフシステムに基づいた言葉を失くし、新しい言葉に変えていくことでエフィカシーを高め、成りたい自分に近づくことができます。
クリエイティブアボイダンス
クリエイティブアボイダンスとは『創造的回避・言い訳・現実逃避』です。
例えば現状維持や目標達成できない時の逃げの言葉もその1つです。
大きなゴール設定はクリエイティブアボイダンスになりやすい傾向がみられます。
アファーメーション
アファーメーションは『断定』や『宣言』です。
アファメーションはエフィカシーを高めるために現在形、肯定文で自分の肯定的なあるべき姿を宣言しましょう。
自分がなりたい姿を宣言することが大事で、どうやってそこに近づくのかは考える必要はありません。宣言したあとは無意識に任せることが大事です。
セルフトークでの自己否定を止め、肯定的なアファーメーションを増やしましょう。
コンフォートゾーン
現状の快適な空間、環境を指しています。
コンフォートゾーンは快適であるため、そこに居続けたいと本能は考えています。
コンフォートゾーンを広げるとよりモチベーションの働く範囲も変わります。
ゲシュタルト
ゲシュタルトとはコンフォートゾーンと同意語です。
ゲシュタルトを壊すことで、恒常性維持機能が働き、スコトーマが外れます。
モチベーション
モチベーションとは本来、生理的に安心できるコンフォートゾーンに戻ろうとする心理的な働きです。だから、モチベーションを上げて現状の外に行こうとしても、失敗しがちです。モチベーションは本来元に戻ろうとする力だからです。
モチベーションを正しく方向づけるためには、未来に進みたいゴールを設定をします。しかし残念なことに、ゴールを設定しさえすれば、自然にモチベーションが湧き、ゴールへと進むような行動に使われるわけではありません。
正しいゴールへ進むには、アファメーションが有用です。アファメーションはあなたの新しいコンフォートゾーン生成を手伝ってくれます。
ホメオスタシス
生命を維持するための活動をホメオスタシス(恒常性維持機能)と言います。
体温を維持したり、呼吸をするなどの活動もホメオスタシスの1つです。運動をすれば体温を下げるために汗をかくように、生命が現状(コンフォートゾーン)を維持しようとするために活動する生理的な現象です。
このコンフォートゾーンが未来に書き換わっていると、ホメオスタシスもその未来の姿のコンフォートゾーンに戻るように生命維持活動を行います。
フィードバックシステム・フィードフォワード
ホメオスタスの仕組みはフィードバックシステムでもあります。フィードバックシステムは人体の変化に対し、現状を維持しようと体温をあげる、下げるなどの生命維持活動を行います。このフィードバックシステムであるホメオスタシスをハックし、未来に向けた解決策を作ります。このことをフィードフォワードと言います。
RAS
RASとはReticular Activating System=網様体賦活系(もうようたいふかつけい)の略で、窓のような働きをして、五感で得た情報を脳が認識できる窓のような役割を果たします。自分の知識や重要なことだけを認識するように制御しています。
RASの機能は、見ているのにもかかわらず、必要な情報以外は記憶に残しません。
RASによって同じ景色を見たり、体験をしても人によって全く認識が異なってくるのはそのためです。
ベンツを買うと街中のベンツが気になったり、子供ができると、街中のベビーカーに目に行くようになるのは、その情報が重要と考えているからです。RASの機能により、今まで体が無視していた情報が脳に入り、意識に届くようになります。その恩恵を受け、あるべき姿に向けて必要な情報、感情、意識、能力が使われるように成ります。
コンフォートゾーンをズラすと体に影響がでてくる状態は『RASが発火する』と言います。
臨場感
RASもホメオスタシスもコンフォートゾーンもゲシュタルトも特徴があります。それは、各1つずつしか働かないことです。平熱が1つしかないように、コンフォートゾーンに向かって働くのも1つです。だから現状か、未来か、どちらかにしかRASもホメオスタシスも働きません。どちらに向けて働くかは臨場感で決まります。つまり、空想や知らないことでは臨場感を出せません。臨場感を出すには、疑似体験や、すでに成し遂げた人の話を聞くのが一番です。
バランスホイール
人生全体でバランスの取れたゴールをバランスホイールと言います。
ゴール設定をする場合、仕事など偏ったゴールを立てると、達成したとしても健康や家庭を損ねてしまうことがあります。しかし、それでは本当になりたい自分にはなれません。
仕事、趣味、人間関係、家庭、社会貢献、知性、美容健康、ファイナンス、全てにおいてゴールを設定することで、人生全方位にバランス良くエフィカシーを高めることができます。
ゴールはいつでも変更可能です。
ただし、変更した場合のゴールはコーチだけに共有すること。ゴールを色々な人と共有することで、障害になることがあるからです。例えば、ネガティブな反応がたくさん入ってくるなど。
コーチングを受けている間はゴールはコーチとだけ共有しましょう。その方が自分の意思を強く持ち、ゴール達成に近づけます。
ラポール
ラポール とはコーチとあなたとの間の心的状態を表します。
2人で臨場感を高めたりアファーメーションを行い続けるのがコーチングになりますが、あなたがコーチを信頼し続けられるには高いラポールを維持することが必要不可欠です。
能力の輪
コーチと共にゴールに向かう時に、自分が得意なこと、不得意なことの境界線を明確にすることが大事です。その境界線を『能力の輪』と言います。
最初は過去の人生を振り返ることから境界線を知ることができます。幼い頃から、親に禁止されてもやってしまったことがたくさんあるはずですが、ほとんどの人は忘れかけ、意識下にそれが眠ってしまっています。それを今一度振り返ることで、本当は人生をかけてやりたいこと(そして禁止されてきたこと)が見えてきます。
自分がしたいことwant toと、したくはないがしなければならないことhave toの境界線を見極め、want toに集中し、自分が苦手なこと、言い換えるとしたくないことを輪の外へ置くことで、時間も能力も浪費しないことができます。
以上が用語集です
これらの用語を使って、コーチとしてあなたに貢献します。
まずはとんでもないゴールを一緒に考えることからスタートしましょう。