ウェブ解析士を学んだからプロになれるほど世の中甘くはありません。
ウェブ解析士はあくまでスタートラインで、プロになるために必要な基本を学ぶだけです。プロになるなら、あなたは実務経験から学ぶ必要があります。もう問題集も教科書もありません。
実務はもっと流動的で、専門特化していて、そして一生かけたくなるほどおもしろいものです。
実務経験はドラマがあります。人との関わりやトラブルもあるでしょう。感情のもつれや傷つくこともあるでしょう。しかし経験という意味では失敗でも成功でもどっちでもよいのです。そのとき自分がどう考え、どんな行動をしたかが大事です。経験は自分で作ることができるのです。そしてウェブやデジタルの分野であれば、早く成長できます。数年真剣にやればその道で一人前になる人もいます。人によっては先輩を追い抜く活躍をすることも不可能ではありません。
しかし逆に言えば、数年後、実務で後輩に抜かれる可能性があることも忘れてはいけません。
私たちにとって神様はユーザーです。とてもふんわりとした気まぐれな神様です。彼らは思いのままにどんどんニーズもデバイスも変えていきます。嘆いてもマーケターにはユーザーに命令する力はありませんから、従うしかありません。私たちにできることは、ユーザーが私たちの望むような方向に行きたくなるような仕向けることのみです。ユーザーを見失い、ユーザの意図から置いていかれたマーケターに価値はありません。そういう私だって年齢を重ね、日々変わるユーザーに置いていかれるのではないか心配です。だからこそビクビクしてるより、ガツガツと新しいユーザーの動きに好奇心をもって観察し、受け入れるようにしています。
一人でもウェブ解析士を置いてけぼりにしたくない、と私は考えています。でも残念ながら、私たちは経験する機会を提供することはできても、経験そのものは提供できません。私たちにできることは知識を更新できる機会を作ることです。ウェブ解析士は毎年、改定されたテキストをご提供し(できるだけ紙のテキストを送りたいですがデジタルだけのこともあります)、フォローアップテストを行っています。認定試験よりずっと簡単ですが、運転免許更新の試験みたいに、事故が起きない最低限の知識を学んでもらうようにしています。
わたし達は国家が後ろ盾にあるような、由緒正しい協会でも資格でもありません。役に立たなければ一瞬で無意味になります。できることは、地域や規模にかかわらず、誰でもデジタル・マーケティングを用いてビジネスを世界中に広げられる人材を育てることだけです。そしていつでも、事業とユーザーを理解して、ビジネスに貢献しようとするプロフェッショナルであるようウェブ解析士をふさわしいスキルレベルで維持させることです。
だからこの問題集を解き終わることはスタートラインであってゴールではないと思ってください。そんなすぐ解ってしまうほど、私達の仕事はつまらなくありませんよ(笑)
あ!最後に忘れないでください。プロになったとしても、あなた一人だけの力は無力です。プロになれば余計感じるものです。ウェブ解析士(じゃなくてもいいけど)を通してどんどん事業の成果につなげるプロと仲良くなってください。あなたの問題解決力の大半は、あなたに力を貸してくれるプロがどれだけいるかが大きいのですよ。
講座や勉強会に参加して仲良くなることが最初に一歩です。そしてあなたも、ウェブ解析士のカリキュラムやイベントを作れます。実績や人脈をつくることもウェブ解析士の魅力です。学んでおしまい、みたいなもったいないことはしないでくださいね。最初は誰でも素人です。自分のために頑張ってください。